35歳以上の妊婦さん必見 葉酸の働きと役割

35歳〜高齢妊娠 40歳〜高齢出産 リスク

日本産科婦人科学会の定義によると、高齢初産は、35歳以上の初産婦をさしています。高齢妊娠高齢出産の定義も35歳と考えるのが、一般的です。私たちの母親世代では、30歳以上でマル高マーク(昔は、30才以上のスタンプ)を押されたそうです。

 

第1子第2子第3子と出生時 父母の平均年齢は、1975年以降 上昇し続けています。結婚年齢が上がっていることも影響しています。35歳以上での高齢妊娠40歳以上での高齢出産には、3つのリスクがあります。

 

  1. 年齢が高くなることで卵子が劣化しダウン症など染色体異常が起こりやすくなる高齢妊娠のリスク
  2. 妊産婦死亡の割合は35〜39歳で2.5倍、40歳以上で5.3倍上昇する高齢分娩のリスク
  3. 医療が進歩したことで安全に出産できるものの年齢的に普通性交による自然妊娠が、むずかしく不妊治療、人工授精、代理出産など生殖医療技術が必要な高齢出産のリスク

 

リスク軽減のために必要な葉酸サプリ

 

 

今は、30歳〜40歳以上でも母子手帳に マル高マークは、押されることはありません!

 

イギリスの産婦人科医の ルーシー・ウィルス(Lucy Wills)は、インドボンベイの妊婦に巨赤芽球性貧血 (きょせきがきゅうせいひんけつ)=悪性貧血が多いことを不思議に思い調査を行いました。最初は、ビタミンAやビタミンCの欠乏が原因と考えていたルーシー・ウィルスは、帰国後治療のための研究を行い酵母エキスが貧血を改善するのに有効であることを導きだしました。

 

赤ちゃんのために知っておきたい 葉酸の役割 働き

妊婦の貧血予防の調査が軸となりホウレンソウに含まれる葉酸がDNAやRNAの核酸に関わっていることがわかりました。最近は、妊娠したばかりの超初期の段階で赤ちゃんの脳や脊髄の発達に欠かすことができない栄養素として注目を集めるようになったのです。

 


急ピッチで発達する胎児 中枢神経の病気を防ぐ葉酸

近年、高齢妊娠も増加しており神経管閉鎖障害の発生頻度は、増加しています。1980年代発生件数の多かったニュージーランドイギリスやアメリカで、妊娠前期の葉酸がリスクを軽減できるとし妊婦に勧告。取り組みの結果、減少傾向です。葉酸を摂ることで完全にリスクが無くなるわけではありませんが奇形や障害異常の
リスクを下げて五体満足健康な赤ちゃんを出産されることをお祈りします。

 

 

葉酸の必要性は、2002年から母子手帳にも記載されています。しかし実際に必要なのは、妊娠初期!お腹の中の赤ちゃんは、妊娠6週までの間に脳と脊髄の原型が出来上がってしまうからです。陽性反応が、出てからでは、遅い!のです。アメリカでは妊娠の有無にかかわらず女性は、1日400μg (マイクログラム)葉酸摂取が一般的になっています。

 

日本の妊婦さんは、葉酸が足りていないのが現状です。また妊娠時に摂るべきカルシウムや鉄も不足している妊婦さんが多いようです。

 


無脳症 二分脊椎症 先天異常を葉酸摂取で予防する

 

無脳症二分脊椎症 といった赤ちゃんの病気は、先進諸国で、減少傾向なのに対、日本では10000人に10人の割合で発症しています。無脳症の赤ちゃんは、YouTube でAnencephalicAnencephalyで検索されると映像がご覧になれます。

 

妊娠中に無脳症が、分かった場合堕胎を選ぶ親も多いのですが、奇形が分かっていてもうまれた赤ちゃんを抱っこしたいという思いで出産にいたるお母さんもいます。数時間しか生きられない命可哀相とか気の毒といった言葉では、片付けられません。映像を見ていたら、出産した母親の思いに気持ちを馳せて複雑な気持ちになりました。

 

無脳症の原因は、母体の栄養状態と考えられていますが、晩婚化がすすみ35歳以上で出産する妊婦さんが増えたことが要因と考えられています。

 

妊娠が判明する前(陽性反応)の妊娠超初期は、胎児の脳や脊髄など神経管の発達が急ピッチですすむ時期で眼球の突出や欠落、口唇口蓋裂などの奇形も妊娠初期の発達段階で起こります。

 

 

参考:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」


高齢妊娠高齢出産のリスクを軽減する葉酸の役割

妊娠届を提出すると交付される母子手帳にも二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生を減らすために、葉酸の摂取が重要と記されています。厚生省が、妊娠可能なすべての女性に1日0.4mgの摂取を呼びかけて食生活の現状から葉酸は、サプリメントで摂ることが好ましい としています。環境省のエコチル調査によるとこの25年間で二分脊椎症の先天異常は、2倍も増えています。

 

 

二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは、先天的に脊椎が形成不全をおこす病気で下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害に因る排泄障害などの症状があらわれ二分脊椎の半数以上が水頭症を合併するといわれています。

 

葉酸の認知度は、まだまだ低いのが現状です。

 

葉酸と母子の健康を考える会で20代から40代の女性にたいして葉酸の認知度を調査した結果です。全体で見ると知っている人が、知らない人を上回っています。しかし未婚者で子どもがいない人は葉酸を知らないと回答した人が多くいました。

 

 

厚生省が妊娠計画中の女性に葉酸摂取を呼びかけたのは、2000年から。母子手帳に記載されるようになったのは、2002年からです。

 

 

グラフを見ると未婚で妊娠経験が無い女性には、まだまだ知られていないことが分かります。

 

 

参考:葉酸と母子の健康を考える会データー

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